道志村(南都留郡)
今倉山のブナとミズナラ 


頂上に2本の大ブナ、手前は
5M上で折れている


手前に折れた幹が転がっている


こちらは完全


その上部


ミズナラ


その上部

南都留郡道志村
今倉山
※山頂は都留市との境

ブナ
目通り 3.0M 最大
樹高 20.0M 最大
他目通り1.5Mのもの十数本
樹齢 200年 推定

ミズナラ
目通り 4.0M
樹高 20.0M
樹齢 250年 推定

正月をどこかといつも愛読している
「山岳巡礼」のホームページの今倉
を見ていたら頂上に大きなブナが
1本あると載っていたのでやってきた。
それと今年はまだ雪が全くない、行く
なら今だと決心をした。
作者「平ちゃん」はプロフィールを読
むと2度の癌を克服しての登山で、
普通ならとうに病に負けてしまったか
もしれない、それと全記録をホームペ
ージ化している、といつも感心する。
私は道志の山は初めてだ。東名で
御殿場まで行き山中湖から道志へ
と考えたが、正月の帰省ラッシュで
大渋滞、富士で下り十里木から御
殿場に抜け道坂トンネルに着いた
のが11時半であった。3時間かかっ
てしまった。トンネルを抜けた所に駐
車スペースがありここに止める。
15分で峠に着く。右にゆけば御正
体山だ。昔修験道の山で生き仏と
いうかミイラがあったという。山好きの
皇太子が以前登ったことを記憶して
いる。(その後2004年と分かる) 尾
根道を頂上を目指す。この日は体
調がすこぶる悪く少し登っては休む
という案配だった。尾根はミズナラが
殆どでブナはでてこない。本当にブ
ナはあるのか?
丁度半分ほど登ったとき、やっと細い
ブナが出てきた。多分1,300Mを
越えた辺りからだろう、直径50pほ
どのブナが増えてきた。ここに大き
なミズナラの木があった。「山岳巡礼
」には記載のない木でとんだ拾いも
のをした。ブナは段々濃くなり、あえ
ぎながら登った頂上にそのブナは
聳えていた。が、地上5Mのところで
幹は折れていた。多分「平ちゃん」
が登った2003,2,1には折れてい
なかったのだろう。落雷か風雪か?
その代わりというか5M横に同格のブ
ナがもう1本あり救われる。
ブナは本当にあった!確かにあった
!そのことが何よりもうれしい。そして
私ども以外に誰もいない頂上で、道
志の山は私たち夫婦をやんわり包ん
でくれているような気がした。

アクセス
標識では登り1時間20分、下り50分
となっている。私は1時間余分にかか
ってしまった。
注意)積雪期には50p位の雪はあ
るだろう。

2009,1,4撮影
※2011,10,12都留市の項より移管
御正体山のシオジほか  
 
岩をはむシオジ1                           その葉(別の木の下葉) 奇数葉状複葉
 
沢の中のシオジ2                       その上部
 
その付近のシオジ2本の上部                        その根元
シオジは普通このように幹に浅い切れ込みがあり単幹でスラッと伸び樹冠で枝を横に広げる                                ・
 
沢の中洲のツガ(左)                         ケヤキ

御正体沢源流付近のシオジ林

尾根登山道の樹相 下の方はミズナラ、カエデが多い

その上は細いがブナが出てくる。ここのブナは肌が白っぽく日本海側のブナに似ている
  
ウラジロモミ(目通り1.5m)      ただ1本見付けたシナノキ?                    朽ち果てたウラジロモミ?の株に生えるツツジ
葉が5枚あるのでゴヨウツツジとも考えたがサラサドウダンかもしれない
 
ツガの大木(目通り1.8m)       峠の樹相  ウラジロモミが多い。右下の窪みは白井平への下山道
 
道志みちの小さな看板。林道はこの奥3qほど続く                                歩き始めの道標             ・
 
登山道入口                     最初はスギ林
 
途中台風15号の氾濫で流石が登山道を覆っている(微かな踏み跡を巡る)           御正体沢源流付近 この奥にシオジ林がある           ・

源流1100M付近

尾根1200M付近
南都留郡道志村
御正体山(みしょうたいやま)
※山頂は都留市との境

シオジ1
目通り 4.0M
樹高 30.0M

シオジ2
目通り 4.0M
樹高 30.0M

ツガ
目通り 2.7M
樹高 25.0M

ケヤキ
目通り 3.0M
樹高 25.0M

山梨100名山の御正体山は道志を
代表する山だろう。以前東の今倉山
に登った際富士山の手前にその大き
な山容を横たえいつか一度登って見
たいと考えていた。
またこの山は昔修験道の山で山頂近
くの祠に断食した修験者が生き仏の
ミイラになっていたと聞いたこともある。
山の好きな皇太子が以前登った山で
もある。何かのHPで山頂西の尾根に
ブナの大木があると読んだ記憶もある。
そんなことで今回やって来た。
ルートは4つあり、山伏峠から、白井
平から、道坂トンネルから、そして北
の三輪神社から。よく調べもしないで
山伏峠からのルートを選んだ。このル
ートは距離は長いが頂上西のブナに
遭遇するに一番いいだろうと思ったか
らである。
山伏峠下のトンネルの西の奥まった
道路に車を止め登山口を捜す。他に
3台車が止めてあった。いくら捜しても
分からないので、500M程下の民家
に人がいたので尋ねると確かにトンネ
ルの手前右でも左でもどちらにも道が
付いているという。もう一度戻って捜す
もやはり分からない。諦めて急遽白井
平のルートに変更する。行く途中思っ
たのは登山口はトンネルの東ではな
いかと。もう捜す気はないので帰りに
捜すことにした(案の定、峠の東に「
山伏峠東登山口」の小さな道標があ
りました。ただこちらは駐車スペース
が1台分しかないので、トンネルの西
に止め抜けてくるようです。10年くら
いの間に登山口が変わってしまった
のでしょう。それにしても道標が不備
であることは否めません)。
前置きは兎も角「御正体山」の小さな
入口看板を見付け林道に入ります。
3q弱行った所に10軒ほどの別荘地
がありこの先は道が荒れていたので
断って車を止めさせてもらって歩き始
めます。
500M程行くと林道は終わり登山道
になります。比較的手入れされたスギ
林を過ぎると沢が迫り沢に沿って登り
ますが所々先の台風の流石で道は分
からなくなっていますがそれでも歩い
ている人がいる様で微かな踏み跡を
見逃さないですすみます。所々に矢
印やリボン、積み石などありますので
見落とさずに。
沢の源流近くになった時、先ずケヤキ
の大木を1本見付けました。その先に
初めは何の木か分からなかったので
すが予想外にシオジの様です。比較
的珍しい木です。またその近くの沢の
中に大木を見付けましたが帰りに見る
ことにしました。帰りに見るとこれもシオ
ジ2のようです。しかし普通見るシオジ
とはまるで樹形が違います。沢の中で
10年に1度は今回の台風の様な洪水
がありそれでも流されない様しっかり
根を張る内こんな樹形になってしまっ
たのでしょう。一応落葉でも確認しまし
た。シオジ1も帰りに見付けました。こ
ちらは大岩をはみ一見カツラの様にも
見えます。またサワグルミの様にも見え
ますのでなかなか同定が困難です。
道はこの先10分ほど巻き道になり尾根
に出ます。気持ちのよい自然林の尾根
道で急で少々きついですが、登るにつ
れ樹相が、ミズナラからブナが混じりそ
の上はツガが出てきてその変化を楽し
み感心している内に峠に着いてしまい
ました。眺望のない樹林の峠で肌が灰
色のウラジロモミが多かったです。ブナ
も捜しましたが細いものしかありません
でした。山頂まであと300Mでしたが
今日はここで引き返すことにしました。
比較的珍しいシオジの大木にも会え
これも怪我の功名と言えるでしょう・・・。
機会があれば山伏峠からもう一度挑
戦してみたいと思います。







2011,10、10撮影

アクセス
車は林道奥の別荘地の所までです。
沢沿いの登山道は台風の影響で荒れ
ていますが注意すれば通れます。
峠まで食事を取って2時間ほどでした
が、1時間半位で着くと思います。














咲いていた花々 ※林道及び登山道
  
上・リュウノウギク 下・ヨメナのコラボ          リンドウ   以上山伏峠トンネル付近            サラシナショウマ
  
           ヤブレガサ? 花の終わり            ? 球果              ヤマトリカブト? 何株かありました      ・
時期が遅いせいか尾根に咲いていたのは          ・
このトリカブトとヤマシロギクのみでした            ・
  
一番色が濃かったトリカブト(写真では色が飛んでしまいましたが・・)           ヤマシロギク            同             
  
オオバギボウシの花の終わり             シシウド 葉は奇数葉状複葉           ミツバ? 花が玉になる 葉は3出複葉
                                                               図鑑では花期は6〜7月

御正体山前衛奥ノ岳付近のブナ 
 
ブナ5                           ブナ6 最大
 
ブナ7 50M下の斜面                            ブナ8 奥の木
 
分岐のツガ                            その近くの北斜面のオオモミジ

山伏峠の登山道と樹相。右斜め下から上がってきてここで尾根に合流。
あと10日もすればこの付近は全山黄と赤のベールに包まれていることだろう。
南都留郡道志村
御正体山前衛奥ノ岳付近
分岐までは山中湖村と境     
奥ノ岳までは都留市との境

ブナ1
目通り 2.0M
樹高 15.0M
登山道から下20M先

ブナ2
目通り 1.8M
樹高 15.0M

ブナ3
目通り 1.8M
樹高 10.0M
樹冠が折れている

ブナ4
目通り 1.8M
樹高 15.0M

ブナ5
目通り 2.4M
樹高 20.0M

ブナ6
目通り 2.7M
樹高 20.0M

ブナ7
目通り 2.4M
樹高 25.0M
登山道から下50M先
樹高が極めて高い

ブナ8
目通り 2.4M
樹高 20.0M

オオモミジ
目通り 3.0M
樹高 20.0M
根元にウロがある

ツガ
目通り 2.4M
樹高 20.0M
分岐
先日は御正体山の山伏峠からの登山
口が分からず急遽白井平の道に変更
したが、その帰り山伏峠の登山口が分
かったので今日はやって来た。昨日か
らの雨も朝方にはやみ晴天になるとい
うので楽しみだ。確かに山中湖に来る
と雲1つない富士山がその姿を現した。
トンネルの西に車を止めトンネルをくぐ
って東の登山口から登り始める。最初
100M位は道が少し荒れていていや
な予感がしたがその上は安定して15
分ほどで峠に着いた。途中シオジを
見付けた。峠周辺は全て自然林でこ
んな所にもブナやミズナラのやや大
きなものが立っている。雰囲気のある
峠で昔は道志と山中湖の間を行き来
する古道であったのではないかと想
像する。
道標はしっかりしていないが尾根に付
いた道は広くしっかりしている。吉田
林務事務所の古い看板があり付近は
大正13年指定の保安林と地図入りで
範囲が表記されていた。
そんな自然林の気持ちのよい尾根道
を登り始める。落葉樹に混じってツガ
やモミ、ウラジロモミなどが混じる。こ
の辺りは紅葉は始まったばかりで少し
黄色に色付き始めている。道には早
や落葉した葉が彩りを添え木漏れ日
の中の自然林の素晴らしさを感じな
がらすすむ。道の下の方には花の種
類は少ないがリンドウやトリカブトの青
が目に鮮やかで楽しませてくれる。山
梨百名山石割山との分岐の手前は
急登でロープが用意されている。こ
の付近は小ピークをいくつか乗り越え
やや大変な所だ。
分岐には道標とベンチがあってそこ
に目印の様に大きなツガが立ってい
た。また20M程北の斜面はブナ1が
立っていた。ここからは道はやや細い
尾根に付いた急登で小ピークが5つ
ほどありその最高点が奥ノ岳である
様だ。しかし道標はないのでどこが
奥ノ岳かは分からない。この付近は
ブナ優勢で直径50〜60センチほど
のものが何本かあった。ブナを見ると
深山に来たという雰囲気に包まれ自
然林の中の自然林という思いがし別
格だ。尾根の北の少し下がった所に
はオオモミジの大木を見付けた。
近くからは時折シカのヒューと鳴く声
が聞こえブナの梢を北風がヒューと
音をたて通り過ぎてゆく。冬が忍び
寄るわびしさとまだ秋が残る温かさを
どことなく感じさせる尾根道であった。
奥ノ岳からはやや下りになり送電線
の通る広場に出くわした。今日は雲
1つなく西には空に吸い込まれる様
な富士山の勇姿、南に長くつずく丹
沢、東に御正体山の一角であろうか
?頂上は前の山に隠れてどうも見
えない様だ。こんな素晴らしい景色
の所はざらにはない。ここで食事を
取ることにした。今日は一人の登山
者とも会わなかったがこんな素晴らし
い景色を独り占めにして食事を取れ
ることの幸せ贅沢さを感じる。山に
来る醍醐味の1つでありいやなこと
を忘れ自然との一体感を感じる一
瞬だ。
道は更に東につずいていたが、こ
の先は歩く人が少ないのかススキを
掻き分けながら100M程すすむと
突然今日最大のブナ5が立ってい
た。南斜面は何故かヒノキの植林帯
だ。北側は殆どがブナ林で付近で
計4本のブナの大木を見付けた。
道はこの先直ぐに真新しい山梨県
の道標が立っていて御正体山まで1
時間50分と書いてあった。下にも下
る道があって送電線巡視路と書いて
ある。想像するに御正体山に登る登
山者が巡視路の方に下ってしまって
道を間違え苦情?を言ったので取り
付けられたのではないだろうか?(
実際遭難した人がいたのかもしれな
い)。この先すすめば頂上に着く頃
には夕方になってしまうのではない
かと思いまた先に行けばもっと大き
なブナもあるかもしれないが既に4
本のブナの大木を見て大いに満足
したのでここで引き返すことにした。
家に帰って地図を見てびっくりしたの
は、御正体山までの半分くらいは登
ったのではないかと思ったが、直線
距離で1.5キロほどで実際歩いた
距離としては片道3キロほどに過ぎ
なかった。2時間ほど歩いたが山頂
に対しては3分の1程度であった様
だ。山頂までは余りに遠くそう言う意
味でタイトルに「御正体山前衛の・・
」と付けた。山伏峠から頂上を踏み
戻るとして7〜8時間は掛かりとって
もルートとしては登山家にも長すぎ
て余りお勧めはできないルートだ
ろう。もし山頂を目指すなら北の三
輪神社からのルートがよいだろう。
仮に東の道坂トンネルまで縦走する
となると山岳マラソンか場合によって
はテントを担いで一泊と言うことにな
るかもしれない。そんな奥行きのあ
る距離の長い山なのだ。(元々私ど
もは山が好きで山登りはするが登
山家ではなくブナを見ればそこで
引き返すことにしていました・・・。)
今日はブナの大木にも会え、奥ノ
岳付近は紅葉の見頃であって自
然林の尾根の素晴らしさを満喫で
きた。私にとってお気に入りの尾根
がまた1つ増え何か清々しさを感
じた満足の1日でした。もう一度機
会があればこの尾根を歩いてみた
いものだ。

2011,10,17撮影

アクセス
山頂を目指すならこのルートは避け
た方がよいだろう。
ブナを見、自然林に触れるなら最
高のルートだ。送電線付近の富士
山も素晴らしい。





  
山伏峠下のシオジ 径40p               尾根のウラジロモミ 径60p            尾根のツガ 径60p
        水は流れていないが谷でそこに何本かの
        シオジが生えていた。小さなシオジ林である
   
ブナ1  目通り2.0M                  ブナ2  径60p               ブナ3 径60p 樹冠が折れている
     
     ブナ4   径60p                オオモミジ 分岐近くの尾根
                                最初枯れていたと思ったがよく見ると僅かに
                                枝を出し葉を付けていた。根元は5M以上ある

天空に輝く紅葉 青、白、赤、黄、緑のアンサンブル

奥ノ岳付近の登山道とブナ林

ブナ4本の大木があったブナ林。 黄葉したブナの梢から優しい秋の光が林床にふりそそぐ

送電線広場から西に見える晩秋の富士。手前の山は石割山でしょうか?
 
御正体山の手前の中ノ岳でしょうか?                     御正体山北のハガケ山でしょうか?
よくみると真ん中のヒノキの左にブナ5の大木が見える                                         
 
丹沢の山々                                  雲がかかった左菰釣山?、雲が取れた右大棚ノ頭?でしょうか?
 
登山口の道標                         折り返し地点の立てられたばかりの道標
                                 御正体山まで1時間50分を見て「えっ・・」と驚く
咲いていた花々
  
     オヤマボクチ 花の終わり                    木 ?                             サクライウズ? 葉に深い切れ込み  
  
ヤマトリカブト                      リュウノウギク 単独で所々に咲く             フジアザミ まだ咲いていました 登山口

丹沢西端大棚ノ頭付近のミズナラ、ブナ
            おおだなのあたま
  
ミズナラ2                        ブナ3
                                   ここのブナはくねっているものが多い
 
ブナ5                          ツガ
  
ブナ1 径60p              ブナ2 径60p                ウラジロモミ 径60p
崖に食いつく            尾根から30M下の斜面                          ・
  
ミズナラ1 径70p          モミ 径60p              ブナ4 目通り2.0M
  
         ブナ6 径50p                    ブナ7 径60p                ブナ8 径60p               

送電線上のブナ林    細いですがブナ優勢”ブナの散歩道”です

大棚の頭下の看板から送電線までの150mはブナの大木が多い

送電線東方の峰のブナの紅葉です
 
峠下から撮った山伏峠                          送電線鉄塔からの手前奥ノ岳、その奥丸い山頂の御正体山
 
                        大棚ノ頭下の道標                        ありました”環境庁”の「東海自然歩道」の看板             
 
右送電線まではブナの大木がある平坦な道                             大棚ノ頭山頂
 
西丸                                   東方の峰(無名)≒1245m
        地図には西丸を通って世附川、丹沢湖に抜ける道があるようだが・・・。        右端にツガらしき大木が見えたので登ることにした
        今は歩けるのだろうか?

その山頂には古びたテーブルが。
赤みがかっているが葉が蜜に生えて
いるので一層綺麗に見える。
ブナの紅葉を楽しみながら散歩気分
で歩いていると大きな看板のある分岐
に着いた。看板は環境庁の「東海自
然歩道」のものであった。大分前に
立てられたらしい。しっかりしているが
やや汚れていたのが残念だ。
100M上が今日の目的の大棚ノ頭だ
ったので笹藪を掻き分け登る。余り人
は来ていない様だ。下りて今度は東
の送電線の鉄塔の方にすすむ。50
Mもすすまない谷側の斜面に大きな
木が見えた。樹冠はやや折れてい
て肌がどうもブナとは違う。双眼鏡で
樹冠の葉を見るとどうもミズナラ2のよ
うだ。こんな大きなミズナラは想定し
ていなかったので嬉しくなってきた。
またすぐ山側の斜面にはこれも紅葉
したブナ3であった。なにしろ付近は
ブナの大木が多い。更に50Mほど
すすんだ尾根に今日最大のブナ5
が立っていた。がっしりと堂々とした
ブナだ。よくは知らないが丹沢のブ
ナでは最大級の1本だろう。檜洞丸
の青年小屋付近のブナも立派とH
Pで見たことがあるがそこと比べて
どうだろう。この付近はなにしろブナ
が蜜で大木が多い。鉄塔の所で昼
食を取っているとすぐ東の峰にツガ
らしい大木が見えた。登るとやはり
ツガであった。
下りてくると先ほどから聞こえていた
鈴の音が段々近づいてきた。犬を2
匹連れている男性だ。話を聞くとキ

ノコを採りに来たという。道志の人ら
しい。別の林道を通ってここに登る
道があるらしい。春と夏にもキノコを
採りに来たというが今年は少ないと
いう。夏に乾燥していたからかもとい
う。それでも少し採れたといって背
負っていた籠を下ろすとなんと籠の
中には白いキノコが一杯だ。ブナ
ハリタケといって枯れたブナに生え
るそうだ。匂いが強いので人によっ
ては嫌うそうだが煮物やおひたし
にすると美味しいという。こんな話
が聞けるのも山に来る楽しみの1つ
と言えるだろう。
尾根で休憩していると晩秋とは思え
ない暑いくらいの日差しで生温かい
風が南の谷から吹き上げてくる。霞
んで生憎富士山は見えなかったが
まずまずの1日であった。
ここだけ見て丹沢全体はとっても推
し計れないが、ブナが多いという丹
沢の中でもイチオシの場所といえる
だろう。何と言ってもここまで山伏峠
から1時間程度の散歩気分で、これ
だけのブナ三昧の贅沢さ、私は「
ブナの散歩道」とでも名前を付けよ
うか・・・。

2011,10,25撮影

アクセス
本当に散歩気分で登れる尾根です。


南都留郡道志村
大棚ノ頭
看板までは山中湖村と境
東方の峰までは神奈川県山北町との境

ブナ3
目通り 2.1M
樹高 15.0M

ブナ5
目通り 2.7M
樹高 15.0M

ミズナラ2
目通り 3.3M
15.0M
樹冠が折れている

ツガ2
目通り 2.4M
樹高 15.0M
樹冠が折れている
先日は山伏峠から北へ奥ノ岳まで歩い
たが、南につずく尾根は地図を見ると
丹沢西端の大棚ノ頭という所に繋がっ
ているらしい。またこの尾根は東海自
然歩道でもあるようだ。その尾根がどの
ようになっているのか知りたくて今日は
やって来た。
山伏峠は秋も深まり紅葉の真っ盛りに
変わっていた。その平坦で気持ちのよ
い尾根を南にすすむ。すぐに大きな送
電線の鉄塔にでた。そこからは先に登
った奥ノ岳やその先の御正体山の山
頂がよく見えた。奥ノ岳から見た時は
山頂は隠れているのではと思ったが
そうではないらしい。
この先道は尾根道と巻き道とに分かれ
るがどちらも同じ所に出る。往きは巻き
道を帰りは尾根道を使った。尾根道は
太くはないがブナの林でこれほどブナ
が濃い所は余り見たことがない。それ
とブナの紅葉は意外と綺麗だ。やや
咲いていた花々
  
リュウノウギク                     イタヤカエデの紅葉               サクライウズ 花が2個ずつ並んで
  
ヤマホタルブクロ まだ咲いていました                     リンドウ                          ダンコウバイは黄葉
         ホタルブクロに比し萼の下が膨らむ
再び紅葉狩り

山伏峠のダンコウバイの黄葉
ダンコウバイは葉が大きく真黄なのでよく目立ち本当に綺麗だ
 
1本先の送電線鉄塔からの御正体山                        崩落がある巻き道途中からの紅葉越しの御正体山
御正体山と奥ノ岳の間に中ノ岳、前ノ岳が確認できる                                              ・
 
紅葉を愛でながら落ち葉の積もったいい道を歩いていると右写真の様に突然道は谷底に崩落していた
こういう所が山の恐い所である。絶対無理をしないで引き返す(ことだ)。
東方の峰手前の菰釣山への道標は確かに尾根に向けて立てられていたが、巻き道の方が広くよく見えた。
この道は電源開発の送電線作業道路との許可証が付けられていたが、初めての者には(崩落と通行不可の)意味が分からない。

ブナ9 目通り2.0M

山伏峠はダンコウバイの黄葉が綺麗
であった。その先の巻き道や大きな
ミズナラやブナがある看板の所は紅
葉はかなり散っていた。
大棚ノ頭の東の尾根続きの石保土山
辺りまで行こうと東方の峰の分岐から
巻き道を進む。紅葉も綺麗でいい気
分で進むと道は400b行った水のな
い沢の所で突然谷に崩落し危険な
ので引き返す。
分岐の道標を改めてみると間違いが
理解できたが、願わくばもう少し親切
な説明をして欲しかった。この日は
連休でもあり、菰釣山の避難小屋に
泊まるという男性に2回会ったが、こ
の人達はガイドブックを読んでいるの
か間違わずに行った様だ。しかしガ
イドブックをもたずにあるく私にとって
はもう少し親切な道標が欲しい。

2011,11,3撮影